コンシールファスナーの悩み解消できる押え金

コンシールファスナー

コンシールファスナーというものがあります。

コンシールファスナー

女性らしくて甘い雰囲気になるので、良く使われているアイテムなのだが、縫う人間から言わせると、こんな苦労させられるものは存在しないだろってくらい苦しめられてしまう、憎々しい存在でもある。

 

コンシールファスナーのぶく付きとは?

コンシールファスナーは、ファスナーの付け止りのところに、左右どちらかの生地がたるんでしまい、プロでも難攻するアイテムです。

コンシールファスナーコンシールファスナーの縫い止まりの”ぶく付き”
ぶくっと盛り上がってしまうから、程度に関係なくぶく付きと呼びます。
これが、とにかく難しい。

直線の背中だけならともかく、脇のカーブだったり、うっかりすれば正バイヤスのスカートにコンシールファスナーなんて日には、天にも見放された気がしてくる。

マダム花井のサンプル縫製で大目玉を食らったことが私の野心に火をつけた

この記事の中でも、バイヤススカートについて書いてあり、それもごく当たり前に毎回コンシールファスナーなのだった。

とにかく、コンシールファスナーが縫えなければサンプル屋としては立ち行かないのだが、コンシールファスナーは生地の風合いで些細な差が出てしまい、やってもやっても慣れることのない難関であり続けるものだった。

コンシールファスナーが”ぶくつく理由は”上からしか縫えない押え金の構造にある

コンシールファスナー

このように上から縫い、次に下のように反対側も上から縫う。

コンシールファスナー

ファスナーが20cmであっても、上から縫うだけしかできなくて、縫い止まりをピッタリ0,数ミリもズラさずに、ゴール地点を合わせるなんて、神業でしかない。

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コンシールファスナーのムシの居場所を空けてしまった達人

コンシールファスナーを難攻不落にしているのが、押え金とムシの相性が悪いからなのだ。

ところが、これを解消するアイディア商品を思いついた達人がいる。

 

このようにコンシールファスナーの虫(ファスナーの凸凹をムシと呼びます)を入れる溝が押えにえぐられていて、この溝にファスナーを挟み込んで安定させて縫うため、ギリギリが縫える仕組みにしたのだ。

コンシールファスナー

素材はテフリーだと思うが、滑りやすく頑丈な素材で作られ、まったく破損しない。

コンシールファスナー

底部の独特なカットが、コンシールを挟んで安定させる。

コンシールファスナー

針穴の後ろがない、ユニークな形状が、どれほど貢献してくれるのか、言葉に尽くせぬほど、感動の秀作。

工場の人からの熱望にこたえる形で開発される、様々な押え金やバインダーなど。
その多くは、努力の甲斐なく帯に短し、たすきに長し。。。

コンシールの嫌われる理由をごっそり抜き取った逸品

「好きな人は好きかもだけど、合わないわ…」と言われてしまう品物が圧倒的だそうで、その中でも20年に一度くらいの割で、大発明されるものがあるとミシン屋が言う。

その逸品の一つが、言うまでもなくこれ。

「小川さん!すごいのが出た!」勢い込んでかかってきた電話の声を、私は今でも忘れられない。

まだ私は横浜の分譲マンションの4畳半で、カニ歩きするしかないほどミシンを詰め込んだ奥に座り、南と北しか窓がなくて、汗みどろになっていた暑い夏の日のこと。

当然、即買い。

私がミシン屋を疑うことはほとんどなくて、「その対策はこれだ」と言われたらすぐさま試していた。

 

とにかく忙しかったので、投資をけちるよりも時間を買えるなら安いと信じていたし、今もその考えは変わらない。

 

実際のところ、これだけは本当で

投資なくて、技術は上がらない

それはともかく、この押え金で縫って、ものすごく感動しました。
コンシールファスナーの押え金というのは、上から下へしか縫えないんです。

なぜか。

ケツが邪魔するからw

コンシールファスナー

プラスチックのもそうじゃないのも、コンシールファスナー押え金の形状は、ほぼこれと同型をしている。

こうして見るとすごく簡単そうだが、重大かつ絶対不可避な欠点が上からしか縫えないこと。

コンシールファスナーは縫い目に沈むファスナーなので、付けどまりのところも縫い目のキワを縫わなければならない。

これがC1の画像でも分かるように、押え金には後ろの部分があって、縫い止まりの下から上へ縫い上げることは出来ない。

コンシールファスナー押えで縫っているとき

コンシールファスナーの命というべき、縫い止まりの左右を0,2mmでもずらしたら品質として劣悪になってしまうのに、上から下へ、上から下へ、左右とも縫わなきゃならない。

縫い止まりの僅かなズレが命取りの作業で、上から下へしか縫えないなんて、やってられーーーん!
だったら、後ろを取ってやる~~!ついでにファスナーの凸凹を押え金で押さえ付けて、ギリギリのところまで縫いこんだるわ!

 

もうね、押え金にそういう声がしみ込んでる(笑)
そんな気がなぜしない?と感じちゃう。

笑いしか出ない。
ギリギリを縫えすぎて、切り替えがあって縫い代が厚くなっていたりすると隙間がないから金具が動かなくなるくらいに、ギリギリを狙えるんですわ(笑)

そういう時は?
押え金をネジで留める時に、紙とか挟んで留める。

そうそう、あんたはギリギリちゃんだからね~~♪ってそういう、微妙なのも楽しくなるくらいいこの子は優れているし、仲良くなりたい大事なお友達。

 

コンシールファスナー押えを使っても、ぶく付きは完全には解消されない

それでも、縫い止まりに左右のずれが出てしまうこともある。
サンプル屋はたまにしかコンシールファスナーも来ないため、久しぶり過ぎちゃうと手が忘れちゃうこともある。

ところがだ。
それもコツなんすわ^^
まあ、それは追々、動画で紹介するのでお楽しみに~~♪

何はともあれ。
私の考えたコツで、完全に”縫い付けどまりのぶく付き”(左右の違いで生地が盛り上がってしまうこと)を解消して美しい仕上がりにできる。

 

コンシールファスナーは外側を縫っても、両面接着芯で貼っても意味がない

皆さん、コンシールファスナーの縫い付けにはご苦労されているようで、

  1. ファスナーの部分を大きな針目で縫う
  2. 縫い目をアイロンで割る(縫った2枚を左右に広げることを割るという)
  3. 両面接着テープで割った縫い代とファスナーの土台生地を接着しちゃう
  4. その後、上から下へ縫い、反対側を上から下へ縫う

こんなやり方も紹介されていたり

ファスナーの外側を縫い代と先に縫ってしまえなどの方法もある。

 

けれど、ハッキリ言ってすべては不正解だ。

何故ならば、縫う過程のズレが確かに縫い付けの止まりのゴール地点に影響は与えるのだが、過程が問題か?という点。

過程が結果的にズレただけに過ぎない。

縫い止まりのゴール直前はファスナーのムシが左右で接近するため、ゴールの1㎝手前までキッチリ縫えていたとしても、最後の5㎜でどちらかが伸びたり、縮んだりすれば、すべてはご破算である。

 

端的に言うならば、縫い止まりをゴールにしていることが問題なのだ。

コンシールファスナーは縫い止まりがすべてを決定する

コンシールファスナーが持つ、この永遠かつ不滅的な難問を解決したのが、コンシール押えである。

絶対不可避の難問を、クリアしたんだから、その発想力が凄まじい。

  1. 上から縫って降りてくる。
  2. そのまま本体をターンさせ、縫い止まりの反対側に押え金とムシを設置。
  3. そのまま縫い止まりから上に縫い上げる

これの何が素晴らしいのかに、すでに気が付いている人はそうとう柔軟な発想ができる人だろう。

私が感動した理由の大きなものが、縫い止まりから反対側は縫いあがってくることができる点にある。

なぜなら、少し縫ったらコンシールファスナーを上げて、縫い止まりにぶく付きがでていないか、全部を縫わないうちに確認ができる。

これって、すごいことなのでる。
上から下へしか縫えないと、左右の全部を縫い終わらないとぶく付いているかどうかも確認できないからだ。

コンシールファスナーはほどくのが大変なのも、この発明品なら問題は少ない

全部縫って、ダメだったとき。ほどくのもガックリする。
当然生地も傷む。

時間だって失う量が加算されるからイライラが募る。

 

でも、縫い止まりから上へ向かって反対側が縫えると、6㎝くらい縫えば、最初に確認ができるのだ。めっちゃ、ほどくにしても楽ちんだ。

しかも。私はそれでもほどくのが嫌だったので、最強のコツを編み出した。
上から縫い下がってくるのでは全く役に立たないコツなのだが、下から上に向かって縫う場合、これ以上ないほどに効果が絶大のコツである。

コンシールファスナーの付ける時に、ちょっとしたコツを加えるだけで、絶対にコンシールファスナーの縫い止まりがぶく付かない。

最上級の品質を、毎回、何度でもどんな素材でも提供出来る。

コンシールファスナー押えを、これだけをお勧めする理由は以上だ。

ただし、上から下へ縫い慣れている人、右側の溝にコンシールファスナーのムシを入れて縫うことに手が慣れ過ぎていると、逆側になるため受け付けない人もいる。

次回は動画で撮影して、この押え金がどれだけすごいのかをお教えするので、お楽しみに。

パリコレ元顧問が教える【ソーイングの常識は”非常識”】講座の紹介

Facebookグループ「How to ずぼらでパリコレ」で質疑応答などご覧いただけます。

 

タカコ
子供服オンライン講座を主催。23歳の時にフリーランスで起業。29歳からはパリコレの作品を縫うことに。一流ブランドとの経歴は、再現性が高く、洗練された出来上がりを求め、数々のヒミツを実行したからに他ならない。子供服にも有効な、超絶わかり易く【失敗しないコツ】を伝授。『面倒くさがりなのに超一流!ずぼらでもパリコレ作品を縫えるヒミツ』

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