技術は裏切らないということ
「ずぼらでもパリコレが縫えるヒミツ」について、今回は書いていきます。
私の過去のエピソードは、カリスマメディアにも投稿してきました。
今回は、子供服オンライン講座の先行販売に皆さんをご案内している状況で、時間的に切羽詰まっているため、こちらで私の核となった1つの失敗例を語ります。
子供服を縫う技術を磨く方法は場数でしかない
技術を持つということについて、皆さんがどのように考えておられるか、私には分からないですが。
私のこれまでやってきた実感として、ずっと継続すること以外に、技術を磨く方法はないということなんですよね。
手を動かさないものは、絶対に上手にならない。この厳然たる事実は、絶対に変わらないわけです。
ぶっちゃけて言ってしまうなら、
「数着縫ったぐらいで出来ると思うなよ?」ということです。
もちろん、その時のタイミングや、調子の良いとき、悪いときも結果に少なからず大きな影響を受けるのは確かですけれど。
やっぱりクオリティーの高いものを必ず作り続けるという意味で、数字しか絶対的に裏付けてくれるものはないんですね。
場数とも言うんだけど、数をこなしていないと、スピードのある縫い方なんて全く手に入らないことだけは、伝えたいんです。
子供服講座へ寄せられる質問をみて、一番不思議に思うこと
皆さんからのメールや質問をみていて、一番クエスチョンな部分が、
数を縫う事に対してどう考えているのかな?という疑問です。
時間が少ないのは、変えられるんですよ。訓練で。
時間的にどれだけタイトであっても、自分の関わり方で一日の過ごし方を変えることができるので、集中的に仕事をすると自分の限界を乗り越える瞬間ていうのが必ずあります。
つまり、出来なかったことがグルン!と回転するくらいの激しさで、急激に自分を成長させることも出来るんですね。
作れる量も変わるし、質感もまるで自分ではなかったレベルに、己を育てられる瞬間というものがあります。
我々職人は、そういう場数を何度も乗り切って、生き抜いてきたものが、経験者として存在しているわけなんですけど。
過去に失敗したのは、数をこなせなかったことが原因
私が最初に高熱を出した時は、次女が4か月くらいの時でした。
ワンピースを8着くらいだったか、4色展開で、すごくタイトな納期しかなくて、請け負ったことがありました。
その取引先は、メーカーではなく請け負った仕事を技術者へ流す、いわゆる「振り屋」と呼ばれる仕事をしている相手でした。
まあ、振り屋も大雑把に分けて、2種類あります。
前もってこうなるよというスタンスで挑んでいく、下職(中間をはさんで仕事を請け負う技術者のこと)を出来る限り人間としての生活を重んじるように配慮する組織もあれば、そうじゃないブラックなところもあります。
つまり、人として生活できないところまで追い込まないように注意する会社もあれば、人の事なんてお構いなしに、請け負っちゃってから大騒ぎに至りやすい会社もあるんです。
その会社は、明らかな後者でした。
私との付き合いは薄く、仕事の持ち込まれる機会は少ない状態でした。
私は工賃をメーカー直の単価でしか請け負わなかったからです。
下職の工賃としては破格な為、滅多に持ち込まれないものの、来るときはタイトなムリな物がドサっと来る、非常に微妙な関係にありました。
その時のワンピースは、起毛の厚みのあるタイプで、裁断に時間がかかり過ぎてしまいました。
生地の厚みに対し、ハサミで太刀打ち出来なかったのが、大きな敗因の1つでした。
裁断が2着程度しか重ねて切れないとなると、もうにっちもさっちもいかない。
不二子ワンピに悩まされて劇的な高熱に見舞われた
その時のワンピースは、裁断で時間を費やすしかなくて、地縫い(脇の縫い、肩の縫いなど)を済ますだけで、納期までに4日しかないのに、2日間も終わってしまったんです。
これはもう、すごく焦りましたね。
どーーするのか。
ウエストにデザインのある、「不二子ワンピ」みたいなデザインで、地縫いが終わってからがまた大変。
納期的に、完全に無理難題だったのです。
デザイン画に描いてないが、現物(げんぶつ と読んで、実際の仕事の内容を指す)にはデザインが複雑にあったという、ありがちな罠です(笑)
結局どうしたかというと。
見出しにも書いた通り、劇的な高熱に見舞われてしまったんです。
ああいう時の人間の体って、なんでだか急激に悪化しちゃうんですよねぇ。
ストレスというか精神的な軟弱さというか。
その時は急に悪寒が襲ってきて、もの凄い寒気がしてガンガンガンガン…めちゃめちゃすんごい耳鳴りが鳴りまくって、倒れそうになっちゃんですね。
それで熱を測ったら、信じられないことに41度あったんですw
(これって、マズくない?)
自分でも焦って、仕事もやらなきゃならないけど、目が回って起きていられないので、解熱剤を注射でもしてもらおうと、近所の医者まで車に乗っていったのですが
木曜日でお休みだったんです(>_<)
(どーーーすんの???)
4号線に行ったことない内科があったのを思い出して、車を走らせました。
その間の耳鳴りが、実に規則正しくて(笑)
6回ずつ、何故か確実に耳鳴りが刻まれます。
人の話す声の音から始まって、音が限界まで大きくなって割んばかりの大音量になり、
また音が普通に戻って6回で限界値まで最大音量になり、この次がきたら頭が吹っ飛ぶんじゃないかと思うくらいになると、急に人の話声の程度まで音量が戻る。
それを繰り返してて、もうね車を運転できるレベルではないわけです。
この熱で運転をしてると過失を問われるそうです。こんな高熱の時には、救急車を呼んでくださいね。
その結果、裁断機へ投資をし、裁断台を自分で作った
何とか這いずるようにして病院で注射してもらって、自宅に帰りました。
もう熱と悪寒と耳鳴りで、下を向くと頭がもげそうになってしまうくらいに、頭部が信じられない重さで起きてられなくなってしまったんです。
高熱で耳鳴りが凄い状態で、電話をしました。
「出来ないってどういうことかっ?」と怒鳴られたの、今でも思い出します。何がなんだか分からないくらいにシドロモドロでした。
その仕事がどうなったかというと、4日で納品だったんですが、3日も超過してから納品し、工賃は0円。
最悪の事態で、取引先にも大迷惑をかけて終わりました。
その時を最後に、寝なくても過労でも、高熱を出すことがなくなりました。
その伏線であったから、【イッセイミヤケの時の3週間で247着よパリコレ】なんて、鬼のような仕事をしてでも、最後まで人間でいられたわけです。
子供服講座への質問をみて、不思議でしょうがない疑問点
多くの質問が今回私の所に集まっているという記事を、昨日も書いたのですけれど。
とにかく、皆さんがどうして自己に投資するのをこんなに恐れるんだろう?という疑問ですが納得できません。
だって、
「子供に着せるものだけ縫えればいいのだから、講座の費用などの自己投資するつもりはないんですよ」というのなら
それはゆったりやればいいでしょうし、別に腕を磨くことよりも、お子さんとの有意義な時間を過ごせたら素晴らしいことで、それはそれで筋も通ってるし良いですよね。
講座のお金の事の心配や、講座を受けると、自分の物つくりが出来なくなるんではないかと悩んでいる人に限って、販売をしたいとか、ネット作家になりたいとか、子供のみならず孫の物も作りたいとか、ソーイングスタジオを持ちたいとか、大きな夢をお持ちなのです。
だったら、独学じゃダメなことがどうしてわからないのか、私には理解できないんですよね。
大きく羽ばたきたいのなら、自己投資しないとだめなんです。
自分を育て、基礎になる技術は買わないと手に入らないと
やる気の溢れる時間そのものも無駄になるということが、何故分からないのか疑問でしょうがないのですけど、どうしてネガティブになるんでしょうね?
子供服を上手に作れるようになるために、何で基礎の知識を知らないとダメなのか?
それは、たった一言で明確に言い表すことができます。
基礎を知らないでいたら、量を縫えないから。
これがすべてですね。
それで、先ほどの高熱が出た仕事の話に戻るんですが
私はそれでつくづく懲りたんです。もうやってられない。
数が必要な時に必要な数を縫えないというのは、ハッキリ言えばサンプル屋として生きていけないと腹をくくったんです。
もちろん、請負業において納期超過なんて認められないから、その会社とは喧嘩別れになってしまいました。
でもそれよりも何よりも、裁断で時間を使うのは耐え難いと吹っ切りました。
機材と自分への投資
工業用のミシンを専門にしている、親身になってくれるいつもの業者に電話をして
「小ロット用の小型裁断機を買いたい」と見積もりとパンフレット、そして価格の交渉をすぐにしました。
2度としない為に、何をするのかを見切れない人間は、その先へ進めないんですよ。
裁断機を買うと言ったら、夫がすごく心配しました。
「お前はそそっかしいから、コードを絶対に切りそうだから…」と、使い方の指導をしてくれましたっけ。
その時、畳で裁断してたのですが、購入した初日にコードを切って、ショートしそうになりました。
お約束通りってわけです。
その後、自分の人差し指に回転刃がほんのちょっと触れたとたんに、刃が回転しているから瞬間に吸い込まれて、深いかぎ裂きも負いました。
それで頭にきて。
先輩の仕事をしていた離れに、お父さんの手作りという裁断台があったのを思い出しました。
その先輩は、サンプル屋をすでに辞めていたので、遊んでいる裁断台をもらい受ける交渉をし、車で武蔵小山まで取りに行きましたっけ。
その後、裁断台が生地巾分に足らず仕事がしにくい為、今度は自分でホームセンターに材料を買いに行きました。
欲しい大きさの裁断台を、大工仕事をしたこともないのに先輩のを真似て、自分で作ることにしたのです。
180cm×90cmの3cm厚みのコンパネや、太い角材等の材料を、階段しかない古いマンションの4階まで運び上げるのが、一番苦しかったですけどねぇ…。
マインドを育てないと、子供服もプロのように縫えるようにはなれない
でもそうやって、自分と機材とに投資をしてきたから、大きな仕事も舞い込んできたし、メーカーから直に取引させてもらえる信用も買えました。
マインドが違うからです。
振り屋の言いなりになって、言い訳をして、逃げたりしない。
毎日をコツコツと腕を磨くこと、それを継続することを止めないできたからこそ、大手とも全然気後れせずに意見も言えるし、
出来ないものを形にするには、どうしたらいいのかを考え付くことができる素地が育ったのです。
皆さんが、自分は既製品のように縫う気持ちがないから、講座を受ける必要性を感じないというのなら、別に困ることは無いんだろうなと感じるから、私も何も言わないですが。
「必要なのはわかっているんですけど…、既製品に負けないものを今よりも早く、確実に作りたい」
というのは、努力や考え方が少し違うんじゃないのかと言いたいのです。
赤ちゃんがいて出来る気がしないという人に、無理にやれと詰め寄りたいのではないですよ。
夢があるのに、自分なりに今できているから、もう少ししてからでもいいかなという考え方を「変だ」と感じない気持ちでいいのかと問いたいのです。
子供服の最大のシーズンは、卒業入学シーズン
時期ってあるじゃないですか。
そう。シーズンです。
今はクリスマスだし、お正月は装う家族もいるかもだけど、和服もあるかもしれないし、大概はちょっとおしゃれ程度でしょ。
でも、卒業式入学式シーズンは、絶対的にかっちり装わなきゃいけない。
しかも七五三とかと違って、和服はないでしょう?
子供服の最大のイベントが卒業卒園、入園入学式シーズンです。
おじいちゃんもおばあちゃんも、孫の門出の為に財布も緩くなる。
どの子よりも可愛くさせたいかは、求めるものが違うから別ですが。
今からなら、その最大ともいえるシーズンにある程度の物が縫えるようになって、参戦できる可能性がある。
このことを、誰か考えているのかしらと感じちゃうんですよね。
販売をする為に習う講座ではないですよ、そういう意味ではないし、全然違います。
商品開発でもないし、子供服を作る為の基礎を、1着ずつ作りながら学びましょうというカリキュラムなので、そんなに出来る可能性を感じてないのかもしれないですけど。
子供服を創作してネットで売りたいと考えている人が、この最大のイベントを視野に入れてないというのが、私には考えられないんですよね。
キレイさっぱり、一件の問い合わせも来ないことに、私の書き方が悪いんだろうなぁと猛省もしつつ、でもどうしてそんなにギラギラしてるのに、呑気なんだろうと疑問符ばっかり浮かんできちゃうわけです。
もちろん、「今からやって入学式のスーツが縫えるのか?」と言われたら、そんな無理なことを望むなと返事しますけど。
では何故こんな話をするのかというと、入学式に臨む弟妹のおチビちゃんがいるじゃないですか。
お兄ちゃんやお姉ちゃんの服には届かなくても、おチビちゃんのキュートで可愛いのは、それほど経験値がなくても可能です。
初心者でも、ちゃんと練習したら入学式に同伴するちびっこのキュートなスカート、またはワンピくらいは、既製品に近い出来栄えでサクサク縫えるように育ってほしいのです。
だって、数を縫わないと腕が上がらないから。
初月にスカートを、2種類作ってもらいます。
裁断の方法も、何着かを重ねて裁断する、生地の置き方も教えます。
初月に教えるスカートの2種類を、徹底的に10着ずつ縫って腕を磨いたら、すぐに既製品的な出来栄えになります。
そうなるように教えるので。
業界は素人の新人を即戦力にするために、その作業の手元を見せて練習させ、毎日同じことだけやらせます。
同じ作業を毎日まいにち繰り返すと、全くミシンを触ったこともない若いお姉ちゃんが、その部分だけはプロの速さで確実に縫えるようになります。
あなたがどの程度の腕を持っているのかは分からないですが、スカートの2種類を徹底的に覚えきろうとするなら、直ぐに効果が現れます。
勉強次第、取り組み次第です。
自分を追い込む目標に、今のシーズンは最適
あくまでも仮定の話でしかないけれども、そういうガンガンやる時期もなく、自己流のやり方で自分を追い込むことせず、いつやるの?という話です。
知っている人も多いかもしれないですが、私が10月末に怪我をしてでも、毎日書いて書いて講座の準備をした理由があります。
入学シーズンに向けて、意欲的に学んでほしいという、どうしても譲れない計画があったからです。
何がどうあっても、販売を来年に持ち越したくない。
第一期生になる、いま講座にご入会された方々には、最初に訪れる入学式シーズンに、すごく素敵なのを作っている作家さんという評判をもらって欲しい夢が、私にはあります。
全員がそうなるなんて考えるのは甘いけれど、数名か10数名かは、きっと育てて販売する楽しさを、今以上に際立ったものにしたいのです。
自分のお子さんの物やフリマで売る普段着の範囲から1歩も2歩も抜け出して、デザインそのものの幅はなくても、お洒落なお出かけ着の範疇にある、高級感のあるお洋服を創作して欲しいのです。
私も講師として、本気で挑んでいる。
このことを知ってほしい。
それだけを言いたかったんですが、長くなってしまいました。
もうすでに、本日の3時になりました。
23時まで20時間です。
こういう話を前提として、特典を想像してください。
私がなぜ、あんなにたくさんの特典を用意しているのか、どうか考えてください。
あなたの作品が、他者を突き放すものであるように、カリキュラムを組んであるからです。
なーーぜ、これに注目が集まってこないのか。
なんで、自己投資は怖いだの、なんだのかんだの、言い訳を探して逃げ歩いているのか。
技術は1度身に付けたら、2度と失われない裏切らない宝
自分が挑まなかったら、絶対に手に入りっこない夢を、いつまで「いつか」にしておくのですか?
若くても、時間は刻々と減っていくし、意欲を磨く時期にしなかったことを、後から悔やんでも取り戻せないんですよ?
誰かが私の講座で上手に縫えるようになったら、入会するのですか?
最後に、もう1度書きます。
技術は人を裏切りません。
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